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白虎神王

Author:白虎神王

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~第8幕~
ダニエルが真っ赤に染まったロウガに駆け寄る

マテンローは天まで届くような唸り声をあげた
怒りに満ちた表情で人狼を睨んでいる

大きな剣を両手で硬く握り締め
人狼に向かって走り出した

マテンローは剣を頭上へと大きく持ち上げ
力まかせに叩き付けるように振り下ろす

だが人狼に素早く身をかわされ
その剣は地面へ深く突き刺さった
 


 
剣を地面から抜こうとした時
がら空きとなったマテンローの腹部へと人狼の爪が襲いかかる

マテンローは咄嗟に剣から手を離し、後ろへと大きく避けた
それでも腹部からは血が噴き出している
『かすっただけで この切れ味かよ』

遠くでダニエルが叫んでいる
『無事です ロウガ殿は意識を失っているだけです』

険しかったマテンローの顔がほころぶ
『あいつは簡単には死なないぜ』


マテンローの剣は人狼の後ろで地面に刺さったままである

その状況に気がついたダニエルが宙に何かを放り投げた
『これを使って下さい』

マテンローの足元に十字槍が突き刺さった

マテンローがその槍を手に取り器用に振り回す
『いい槍だ ダニエル』

再び人狼の爪が襲いかかってきた
マテンローは槍先で爪を払いのける
『同じ攻撃は効かないぜ』

しかし人狼は硬い体毛が頑強な鎧になっており
槍の攻撃も皮膚まで届かない

ダニエルが叫んだ
『口です 人狼の大きな口の中に槍を突き刺せば…』

『なるほど口の中か』
マテンローが小さくつぶやく

しかし問題は人狼の口をどうやって開けるか…である
ダニエルが私に問いかける
『術攻撃で人狼の口をこじ開ける事はできそうですか?』

人狼を離れた距離から攻撃できるのは私しかいない
私は自分に言い聞かせるように答えた
『やるしかないですね』

山の空が少し明るくなってきた
天を見上げると月が浮かんでいる
血に染まったように真っ赤な月が…
 
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 10:01:02 | Trackback(0) | Comments(0)
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