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白虎神王

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~第5幕~
遠くから聞こえてくる遠吠えで私は目が覚めた
いつの間に眠ってしまったのだろう
マテンローたちも眠ってしまっていた

私は皆を静かに揺り起こしたが
マテンローだけが錫杖で叩いても起きる気配がない

村長の姿が見当たらない、何処かで怯えるように隠れているのだろうか
ダニエルは村長を探しに部屋から出て行き
ロウガは窓際へと移動し外の様子を伺っている
窓の外は深い霧に覆われていた
 


 
さきほどの遠吠えは夢だったのか
外は不気味なほど静まりかえっている
この村の時間が止まってしまったような錯覚さえしていた

突如、熱く重い空気が村へと襲いかかってきた
いつからいたのか、マテンローは私の隣で嬉しそうに剣を構えている
『空気がピリピリと震えてやがるぜ』

背中に冷たい汗を感じながら問いかけた
『勝てますか? マ・テ・ン・ロ・ー・さん』

マテンローの口元が強ばったのを私は見逃さなかった
『そうだな 楽しくなりそうだ』
彼らしい返事であった


紛れもなく濃霧の向こうに《それ》がいる

ためらいもなくマテンローとロウガが外へと飛び出していく

それは人でなく、また獣でもない
私はそれを形容するための言葉を探していた

《もののけ》の類いなのだろうか
それとも《神》なのだろうか

私はマテンローの言葉で我にかえった
『来るぞ よけろ!』

数秒前に私が立っていた場所を熱い空気が通り過ぎた

鼓動が速くなる
錫杖をかざし結界を張った

マテンローが吼える
『おらおら来いよ』 

《それ》に言葉は通じているのだろうか
その言葉に反応したかの如く
熱い風がマテンローへと襲いかかる


私は頭の中までもが濃霧に覆われてしまっていた
晴れることのない熱い霧に…
 


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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 20:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
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