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白虎神王

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~第4幕~
そこは小さな村だった
村人たちは何かに怯えるように家の窓からこちらの様子を伺っている

私はマテンローに尋ねた
『この村なのですか?』

マテンローは黒髪を掻きながら答えた
『とりあえず飯にするか』
答えになっていなかったが、いつもこんな感じである

彼は考えるのがあまり《好きでは無い》のだろう
 


 
その時、遠くでロウガの声がした
どうやら村長の家を見つけたようだ
屋敷の中には高齢にも関わらずとても元気そうな村長が囲炉裏のそばに座っていた

人狼についての詳しい事情を村長に尋ねることにした
夜になると山の方から遠吠えが聞こえてくるようになり
朝になると村で誰かが死んでいると言うことだった
その首筋に鋭い牙の痕だけを残して…

マテンローの目は面白そうな玩具を見つけた子供のように輝いている
その横ではダニエルが深刻な表情で村長の話に聞き入っていた

もうすぐ日が暮れようとしている
暗くなる前に山の中をダニエルとロウガが調べてみることにした

私は少し村の様子を見てまわった
特に変わったところは見受けられない
しかし村人たちが私を過剰に警戒しているのを感じた
決して外に出るような事はせず、窓の隙間から私を観察しているようだ
《よそ者には注意せよ》と言ったところなのだろうか

突然、私の足元へ赤い蹴鞠が転がってきた
私はその蹴鞠を拾い上げ、ゆっくりとあたりを見渡した
小さな男の子が家の中から飛び出してきた
その直後その母親であろう人物が子供を慌てて抱え、そのまま家の中へと戻っていった
窓から見つめる男の子の寂しそうな目だけが私の心へと残った

村長の屋敷へ戻ってくると、マテンローが楽しそうに酒盛りをしていた
緊張感が全く感じられない
村の状況をちゃんと理解しているのだろうか

しばらくするとダニエルたちが山から戻ってきた
山のほうでも特に異常は見当たらなかったようである

村長の勧めで私たちも食事そして酒を頂いていた

この小さな村に夜が訪れる
私たちの運命を変えてしまう長い夜が…
 
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 20:42:29 | Trackback(0) | Comments(0)
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