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白虎神王

Author:白虎神王

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~第1幕~
昨日から降り続いている雨の中
深い森を疲れきった体を引きずるように歩いていた

天を見上げると森の木々たちが冷たい雨から私を守ってくれていた
しばらく歩いていると大きな洞穴が遠くに見えてきた
もうすぐ闇夜がこの森に襲いかかるのだろう
今夜はその洞穴で休むことにした
冷え切った体を少しでも暖めようと、奥に落ちていた枯れ枝で焚き火をおこした
細く釣りあがった目は揺れ動く火を見つめ、無意識のまま艶やかな銀色の髪を撫でていた

昨日から何も口にしていない
だが革袋の中には空腹を満たしてくれる物は何も無い
今の私にはあるものと言えば、腹の足しにもならない銀色に輝く錫杖だけである
 


 
夜がふけていく
降り続いている雨はやみそうにはない

私は冷ややかな睡魔にとりつかれてしまっていたようだ
突然右足に激しい痛みが走り目を覚ました

周りには無数の野犬が唸りをあげ、私に牙を剥いていた
錫杖で追い払おうとしたが素早くかわされるだけである

普段の私ならこれくらいの野犬であれば敵ではないのだが、
今の気合い量では術で一体倒すのがやっとである


その群れの中にひときわ大きな野犬が後ろで唸っていた
どうやら野犬たちの頭領のようである
額にある三日月の形をした傷が印象的だった


今の私にできる事と言えば…
残った気合いで奴だけでも倒してみるか

痛む足を引きずり一歩後ろへと下がった
背中に当たる岩肌がとても冷たい

外では雨が激しくなっている

錫杖を頭領へと静かに向け術を放った
 『 華 』
眩しい光の帯が頭領へと襲いかかる

私は気合いを使い果たし
薄れゆく意識の中、懐かしい声を聞いた気がした
『キュービ こんなところで暇つぶしか?!』

大きな影に支えられ
そのまま意識を失った
 
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 20:39:10 | Trackback(0) | Comments(0)
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