■プロフィール

白虎神王

Author:白虎神王

■カテゴリー
■最近の記事
■最近のコメント
■月別アーカイブ
■最近のトラックバック

■リンク
■ブログ内検索

■RSSフィード

◆赤頭巾村  ③「人狼と妖狐」
海斗は気がつくと見慣れない部屋の中で寝ていました
天井がとても高く、大きなお屋敷のようです
起き上がろうとしましたが頭がクラクラして上手に立ち上がれません
ここは宴の間なのでしょうか周りを見るとたくさんの酒樽や徳利が置いてあります
ここが何処なのか分からずボンヤリしていると廊下の方から声が聞こえてきました

(村人)あっ 目を覚ましたみたいだよ

こちらにパタパタと足音が近づいてきます
その足音が枕元で止まりました

(流星)海斗兄ちゃん だいじょうぶ?

聞きなれた声を聞いて慌てて起き上がりました

(海斗)流星じゃないか どこにいっていたんだ心配したんだぞ

流星から今までのいきさつを聞きました
どうやら海斗と流星は別の村へと飛ばされてきてしまったようです




倒れていた海斗を屋敷まで運んで看病してくれていたのは《 ゆうが 》という女性さんでした
ゆうがは海斗と同じくらいの年齢でとても明るく元気な娘さんです
話を聞くと流行り病で村人が次々と倒れてしまって満足に動ける人が少ないようです
奉納祭が気になり早く自分の村に帰りたい海斗でしたがその方法がわかりません
海斗と流星は暫くこの村のお手伝いをしながら、自分の村へ戻る方法を探すことにしました

病気になっている村人の屋敷を診てまわりましたが衰弱してご飯も食べれない状態でした
村人はみんな赤い服装をしており不思議な感じです
話を聞いてみると村の民族衣装のようで、全員が赤い頭巾と赤く短いスカート姿です
自分の赤いスカート姿を想像してしまった海斗は少し照れてしまいました

村人の容態で気になるところがあり、急いでゆうがの屋敷へ戻り占いを始めました
海斗の予感は的中していました、衰弱の原因は病気ではなくて何者かの呪いでした
呪いを解くために村の中央にある広場で祈祷をすることにしました
海斗が祈祷を始めて数時間が経ちましたがまだ続いています
村人はその周りを囲むようにしてひたすら拝んでいます
流星はお腹が空いたのを我慢しながら待っていました
それから暫くして海斗の祓い棒の動きが止まり海斗がこちらに歩いてきました。
ようやく祈祷が終わったようです

(ゆうが)ありがとうございました。これで村人は元気に戻りますでしょうか?
(海斗) 狐の妖怪が村人を苦しめているようです
    明日の朝には村人は回復している思いますが妖狐はまだ村にいます
    あと狐とは別に、狼の妖怪も村人の中に紛れているようです
(村人A)病気じゃなくて狐の呪いだったのか
(村人B)お前が狐なんじゃないのか?
(村人C)狼も村を狙っているだと

狼と狐が村に紛れ込んでいるという情報で村人たちは大慌てです
何か良い対策はないものかと海斗は悩みました
むかし父親に潜在能力を引き出す方法を教わった事を思い出し
説明しようとしますがなかなか騒ぎがおさまりません
やっと村人を落ち着かせる事ができ説明を続けました

(海斗) これから村を守るためにある儀式を続けます
    皆さんが眠らせている能力を引き出す[ 神々の儀 ]というものです
(ゆうが)もう暗くなってきたのですが、どれくらい時間かかりますでしょうか?
(海斗) 神々の儀には数時間かかりますが夜も遅いので皆さんは家で寝ててもらって結構です
    朝起きる頃には能力が授かっています

すでに空は暗くなっていて流星は空腹と眠さの限界で今にも倒れそうです
普段なら暖かい布団で寝ている時間なのですが
海斗の説明を聞こうと頑張って起きています。

(ゆうが)村人全員に能力が授かるのでしょうか?
(海斗) いいえ残念ながら全員という訳ではありません
    村の中で5人の方に能力が授かります
    狼や狐が聞いているかも知れませんので
    今はどなたが能力授かるのかは言えません
(ゆうが)そうですね能力を授かった村人が狼か狐に襲われるかもですね
(村人A)それはどんな能力なのですか?
(村人B)指の先から火の玉が出て狐を倒せる能力がいいな
(村人C)じゃあ俺は狼を凍らせる能力が欲しい

能力が授かれると聞いた村人は興味津々ですが
相手を攻撃する呪文を思い浮かべている人が大半のようです
村人の騒ぎを遮るように海斗の説明は続きます

(海斗) 直接相手を傷つける能力ではありません
    簡単に言うと占いやテレパシーといった感じの能力になります
(ゆうが)その能力で村を守ることができるのでしょうか?
(海斗) 使い方しだいだと思います
    能力について皆さん興味があるようなので説明しておきます

火の玉や氷の刃を期待していた村人は少しガッカリしているようです
しかし村人達はもっと説明を聞こうと海斗を取り囲むように集まってきました

(海斗) 一つ目の能力は生きている人の中から人か狼か正体を占える能力です
    わかり易く【 占い師 】とでも呼びましょうか
    占われた村人が妖狐の場合は祈祷により浄化できます
(ゆうが)狐を退治できるなんて、すごい能力ですね
(海斗) ただし占いの効力は一晩に一回だけです
(ゆうが)一日に一人しか占えないのですか… 全員を占うのは大変そうですね
(海斗) 能力を授かった村人を占った場合、その能力内容がわかります
    占ったのが人狼だった場合は、その正体を見破れますが人狼は祈祷では退治できません
    明るい昼の間に村人の力でなんとか倒すしかないです
(ゆうが)じぁあ… どうやって狼を倒せば…

村人たちの話題は狼を倒す方法に変わっています

(海斗) 二つ目の能力は亡くなった方の中から
    その正体を見極めることができます
    こちらは【 霊媒師 】と呼ぶことにしましょう
    霊視できるのは亡くなった方の中から、こちらも一晩に一人だけになります
(ゆうが)占い師と比べると微妙な能力で使いどころが難しそう

すでに流星はスヤスヤと寝てしまっています
父親と遊んでいる夢でも見ているのでしょうか
その寝顔はときおり楽しそうに微笑んでいるようにも見えます

(海斗) 三つ目は、狼の魔の手から村人を一人だけ守ることができます
    守護符の加護により襲われることを防げる能力です
    ただし村人を守護している間に自分が狼に襲われてしまう可能性があります
    狼から村人を守る【 狩人 】と呼びましょう
(ゆうが)よかった! 狩人さんに守ってもらえるから、夜も安心して寝ることができます

どうやら、ゆうがは狩人に守ってもらう気でいるようです
海斗は説明を続けました

(海斗) 最後の能力になります
    四つ目の力を授かれる方は村の中に二人いました
    お互いの気持ち、すなわち心の中が伝わってくる能力です
    特別な道具や言葉を使わずに離れた場所にいる者と交信することができます
    【 双子 】とでも呼ぶとわかりやすいのでしょうか
(ゆうが)テレパシーみたいな能力になるのですか?
(海斗) そうですね、但し交信できるのは同じこの能力をもった村人同士だけです
    しかし夜の間だけしか交信能力はありません
(ゆうが)たしかに双子という表現がわかりやすいですね

村人たちは能力を一通り聞いて
自分が能力を授かったときの事を想像して盛り上がっています
どうやら占い師が一番人気のようです

(ゆうが)狼や狐が何匹ぐらい紛れ込んでいるのか分かりますか?
(海斗) はい、人狼は4匹います。
    村人の中に巧妙に紛れ込んでいて誰が狼なのかはわかりませんでした
    妖狐は2匹潜んでいるようです。
    数まではわかるのですが強い妖力で村人の中に紛れ込んでいるために
    見た目では人か狐か判別できません
(ゆうが)たしか狐は占いで退治できるのですよね?
(海斗) 占いで妖狐の正体がわかれば祈祷の効力で浄化できます
    しかし人狼は正体を見破ることは可能なのですが祈祷の力が効きません

どうすれば狼や狐を倒せるのかが話題の中心になっています
徒党を組んで力ずくで倒そうと言う者もいれば
巧妙な罠を仕掛けて捕獲しようと言う者
さまざまな意見が飛び交っています
あまりの騒がしさに流星は目を覚ましました。

(海斗) 大事なことを言い忘れていました
    村の中に人でありながら狼を助ける行動をしている者が
    1人いることが占いでわかっています
(ゆうが)なんてことなの狼に力を貸すなんて、まるで狂人じゃないですか
(海斗) そうですね【 狂人 】としか思えない行動です
(村人A)狼に力を貸して何の得があるんだ?
(村人B)お前だろ狂人ってのは いつも行動が変だぞ
(村人C)急に何を言ってるんだお前の方が怪しいじゃないか

狼と狐だけでも村人は大騒ぎのだったところ
狂人の話までも出てきて村中が大騒ぎです
みんな疑心暗鬼で他人が信じれなくなっています
騒ぎを鎮めようとゆうがは大声で叫びました

(ゆうが)今日は遅いので明日の朝もう一度集まって
    狼と狐対策をみんなで話し合いましょう
    明日になれば能力を授かった人もいるので
    その力で狼と狐から村を守りましょう
(村人) 今日は引き上げて明日の朝ここで会議をしよう
(海斗) 衰弱している方も明日になれば回復しています
    村人全員で話し合えば良い考えが出てくると思います

ゆうがの機転で何とか騒ぎはおさまり
明日話し合いが行われる事で村人は納得し家に帰って行きました  

(海斗) ではこれから能力を引き出す儀式を行いますが
    まだ数時間かかりますので、ゆうがさんも屋敷に戻って休んでください
(ゆうが)海斗さんもあまり無理しないようにして下さい
(海斗) 神々の儀が終わり次第、私も休ませて頂きますので大丈夫ですよ
    明日の会議で良い案が出るといいですね
(ゆうが)はい、頑張ります。おやすみなさい
(海斗) おやすみです

ゆうがと流星が屋敷に戻るのを見送ったあと、海斗は祭壇で祈祷を続けました
しばらくすると遠吠えが聞こえてきました
激しく言い合うかのような、その遠吠えは一晩中続きました
闇夜の中ひときわ大きな遠吠えが村に響きました
まるで村人たちを嘲笑うように


部屋の中に朝日が差し込み、流星は目が覚めました
すぐに周りを見渡しましたが、そこは自分の生まれ育った家ではなく
たくさんの酒樽や徳利が置いてある大きなお屋敷でした

昨日体験した出来事は夢ではなかったようです
あまりに不思議なことばかりおきたので流星には現実とは思えなかったのです
今日は狼と狐について話しあう日です
何か良い案は出るのでしょうか流星は不安で仕方ありません

隣の布団で寝ている海斗を起こそうと体を揺らしました
しかしそこには、のどを噛み切られ冷たくなった海斗の姿がありました
流星は驚きのあまりその場に座り込み、
這いつくばったまま廊下へと飛び出し虚空に向かって叫びました

震えるその声で … 

スポンサーサイト

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

2006-11 赤頭巾村 | 20:00:00 | Trackback(0) | Comments(1)
コメント
うひゃーΣ( ̄ロ ̄lll)
海斗さんがああああ。・゚・(ノд`)・゚・。
2006-12-09 土 13:31:59 | URL | ゆうが [編集]
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad