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白虎神王

Author:白虎神王

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だにえるなべ 第11話
屋敷の襖が音もなく静かに開きました
『皆さんこんばんは』

『もう始まってるのかな?』

黒い和服を着たお爺さんが入って来ました

海斗はそのお爺さんに深々とお辞儀をしています
『こんばんは』

『まだルール説明ですので大丈夫ですよ!和尚さん』

日焼けのお兄さんが勢いよく立ち上がりました
『和尚久しぶりだな!まだくたばってなかったのか?!』

和尚はツルツル頭をペシッと叩きました
『ふぉっふぉ 憎まれっ子 世にはばかるぢゃ!』

みんな楽しそうに笑っています

『ケロちゃんケロちゃん』
『にくまれっこ…よに…ナントカって何?』


ケロちゃんは頭から煙が出そうになっています
『むむっ』
『どう説明すればよいかな…』

『んーと… 人に憎まれたり、嫌われたりする者にかぎって…』
『世の中で幅をきかせている…という意味かな?!』

僕は不思議そうにお爺さんを見つめました
『じゃあ あの和尚さんは嫌われているの?』

ケロちゃんは大きく首を横に振りました
『とんでもない!』

『和尚はみんなから尊敬され慕われているのだ』

『自分を謙遜して言っただけだよ』


和尚さんは僕の視線に気がついたのか、ニッコリと笑ってこちらに近寄って来ました

そして僕の横に来ると、そのまま静かに正座しました

『ではここで悪ガキどもがイタズラしないように、見張っておこうかな!』

日焼けのお兄さんと、つぶやきオジサンが居心地悪そうにうつむきました

『ふぉっふぉ ケンカはいかんぞ 遊びは楽しくぢゃ!』
 



 

海斗は和尚さんを見ました
『次は妖狐の説明にいきます』

和尚さんはあご髭を触りながら小さく頷いています

『先ほど少し説明しましたが、妖狐は占い師に占われると死にます』

『能力は夜フェーズに仲間の妖狐と相談ができます』

『妖狐は人狼に襲撃されて殺されることはありません』


しかし、和尚さんは説明を聞かずにケロちゃんばかり見ています

『なんだ? 和尚!』
『俺様の顔に何か付いているか?』

和尚さんはあご髭を触るのをやめてケロちゃんの頭を指差しました

『ふぉっふぉ 顔じゃなくて頭ぢゃ!』

『なんとも大きなコブぢゃ!』

『南無南無…』

和尚さんは手を合わせてケロちゃんのたんこぶを拝んでいます

『えーい! 拝むな!』

『和尚に拝まれると、木魚がわりに叩かれそうで恐い』

和尚が巾着袋から小瓶を取り出してきました

『これは寺に代々伝わる秘薬ぢゃよ!』

ケロちゃんは疑いの眼差しで和尚さんを見た
『わかった!スゴく苦いんだな?』

和尚さんはニッコリと笑いました
『ふぉっふぉ これは塗り薬ぢゃて!』

『騙されたと思って、塗ってごらんなさい』

ケロちゃんは恐る恐る小瓶の蓋を開けました


日焼けのお兄さんが手拍子を叩き始めました
『元気に一気っ!』

『楽しく一気っ!』

『はい!はい!はい!はい!』


ケロちゃんは左手を腰に当て、小瓶を勢い良く口元へ…

『って! 塗り薬を飲ませようとするなぁぁぁ!』


『しかも、この小瓶のラベル…』

『水虫薬って、書いてあるぞ 和尚ぉぉー!』


和尚さんは楽しそうに笑っていました
『ふぉっふぉ』

『だから、騙されたと思って…と言ったのぢゃよ!』

ケロちゃんは小瓶を和尚さんに投げつけました
『本当に騙すな!』

和尚さんはケロちゃんをつかみ小瓶の薬をたんこぶに塗りました

『こら和尚! 水虫薬なんか俺様に塗るなー!!』


和尚は楽しそうにあご髭を撫でました
『ふぉっふぉ 心配せんでも中身はちゃんとした薬ぢゃよ!』


ケロちゃんは心配そうに塗り薬の匂いを嗅いでいました
『くっ! どっちが本当か分からなくなってきた…』

和尚さんが慕われている理由が何となくわかったような気がしました

『ふぉっふぉ 真実は一つぢゃ!』
 
 
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だにえるなべ | 20:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
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