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白虎神王

Author:白虎神王

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~第10幕~
人狼の口には、槍が刺さっている
いや、刺さっているように見えていた
槍は牙で止められて、口の中までは届いていなかった

人狼が悲しい目で動かなくなったマテンローを見下ろしている
それは壊れた玩具を見るような眼差しだった

私は見たことがあった
大切な蹴鞠を取り上げられたような
その悲しい目を…
 

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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 13:36:49 | Trackback(0) | Comments(0)
~第9幕~
私は残っている気合を全て搾り出すように術の詠唱を始める
『急々如律令 奉導誓願可 不成就也』

その詠唱に合わせマテンローが槍を突き出すように構えた

私の周りに緑色の輝きが集まってくる
手のひらに集中させたその光を放出した
『 風刃 』
狙うべきは人狼の口である

その後を追うようにマテンローの槍が唸る
 

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ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 02:17:18 | Trackback(0) | Comments(0)
~第8幕~
ダニエルが真っ赤に染まったロウガに駆け寄る

マテンローは天まで届くような唸り声をあげた
怒りに満ちた表情で人狼を睨んでいる

大きな剣を両手で硬く握り締め
人狼に向かって走り出した

マテンローは剣を頭上へと大きく持ち上げ
力まかせに叩き付けるように振り下ろす

だが人狼に素早く身をかわされ
その剣は地面へ深く突き刺さった
 

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ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 10:01:02 | Trackback(0) | Comments(0)
~第7幕~
突如、現れた大きな影が鋭い爪から私を護ってくれていた

その影を見てマテンローが吼える
『ダニエル遅いぞ どこで遊んでいたんだ』

私は術の詠唱を続けていた
『 … 不成就也 』
青い輝きが私の手のひらに集まってくる

術の詠唱に合わせるように
ダニエルは爪を払い除け、横へ飛ぶように移動する
  


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ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 19:57:36 | Trackback(0) | Comments(0)
~第6幕~
マテンローが小さくつぶやいた
『そろそろ こっちも攻撃するぜ』
ロウガが銃を構え頷いた

ロウガは自分の身長ほどある長い銃を自在に操っている
銃声が霧の衣を切り裂いて《それ》へと襲いかかる

確かに弾は当たっているはずなのにまるで効いていないようだった
 

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ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 20:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
~第5幕~
遠くから聞こえてくる遠吠えで私は目が覚めた
いつの間に眠ってしまったのだろう
マテンローたちも眠ってしまっていた

私は皆を静かに揺り起こしたが
マテンローだけが錫杖で叩いても起きる気配がない

村長の姿が見当たらない、何処かで怯えるように隠れているのだろうか
ダニエルは村長を探しに部屋から出て行き
ロウガは窓際へと移動し外の様子を伺っている
窓の外は深い霧に覆われていた
 

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ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 20:00:00 | Trackback(0) | Comments(0)
~第4幕~
そこは小さな村だった
村人たちは何かに怯えるように家の窓からこちらの様子を伺っている

私はマテンローに尋ねた
『この村なのですか?』

マテンローは黒髪を掻きながら答えた
『とりあえず飯にするか』
答えになっていなかったが、いつもこんな感じである

彼は考えるのがあまり《好きでは無い》のだろう
 

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ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 20:42:29 | Trackback(0) | Comments(0)
~第3幕~
木々からこぼれる朝日がとても眩しい
昨夜の騒ぎが夢だったように思える静かな森であった

奥ではダニエルがなぜか泥だらけになって深く眠っている
森を少し歩くと美しい湖を見つけた
宝石を散りばめたようにキラキラと水面が輝いている

その湖の畔に真新しい小さな墓標がたくさん立っていた
土はまだ掘り返したばかりと言った感じである
 

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ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 20:41:28 | Trackback(0) | Comments(0)
~第2幕~
豪快な笑い声たちが頭の中に響き渡る
何の騒ぎだ
うるさくて休む事もできない

私は重い瞼をゆっくりと開いた
焚き火の周りでは荒々しい風貌の男たちが酒を飲んで騒いでいた

手に持った銃を丁寧に磨いていた小柄な男が私に気がついたようである
『兄貴 目が覚めたようです』
 

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ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 20:40:12 | Trackback(0) | Comments(0)
~第1幕~
昨日から降り続いている雨の中
深い森を疲れきった体を引きずるように歩いていた

天を見上げると森の木々たちが冷たい雨から私を守ってくれていた
しばらく歩いていると大きな洞穴が遠くに見えてきた
もうすぐ闇夜がこの森に襲いかかるのだろう
今夜はその洞穴で休むことにした
冷え切った体を少しでも暖めようと、奥に落ちていた枯れ枝で焚き火をおこした
細く釣りあがった目は揺れ動く火を見つめ、無意識のまま艶やかな銀色の髪を撫でていた

昨日から何も口にしていない
だが革袋の中には空腹を満たしてくれる物は何も無い
今の私にはあるものと言えば、腹の足しにもならない銀色に輝く錫杖だけである
 

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ダニエル鍋 ・ 陽炎の章 | 20:39:10 | Trackback(0) | Comments(0)

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